億り人の思考

「働かない自由」を手に入れる。億り人を達成したサラリーマンの投資実績。

お金にまつわる悲しい実体験

なんとなく眠れないので、ふと思い出した「お金を巡っての自分が体験した悲しい話」をしたいと思います。

 

10年以上前の事です。

夜遅くに突然知らない携帯電話の番号から電話がかかってきました。友達が携帯でも変えたのかと思い電話に出てみると、何年も会っていない高校時代の同級生Aからの電話でした。

 

(A)「もしもし?〇〇さんの携帯であってますか?Aです。」

 

(俺)「A?・・・あー!めっっちゃ久しぶりじゃん!突然どうした!?」

 

(A)「ごめん、なかなか連絡取れなくて。実は母親が去年無くなって引っ越しとか手続きとか色々大変で・・・。」

 

(俺)「マジかよ・・・確か・・・、お前の親父も小学生の頃に亡くなったんじゃなかったか?」

 

(A)「そうだよ・・・。20歳前半にして両親共に他界しちゃった。大学行きたくて浪人してたんだけど、働かなくちゃ生活できなくなって、大学は諦めて今はパチンコ屋でバイトしてる。」

 

(俺)「お前大変だな・・・。んで突然どした?なんか相談か?」

 

(A)「いや、特に何がってわけじゃないんだけど、久しぶりに話したくなって。」

 

 

 

と、最初の電話はお互いの近況を語り、食事に行く約束をして電話を切りました。

 

 

 

そして数日後にAとファミレスで数年ぶりに会いました。が・・・

まず印象が最悪でした。

 

服は汚い・・・頭もボサボサ・・・しかも臭い・・・とても20歳前半には見えない・・・マジかよ・・・

 

 

話をしてみるとAはとんでもない悲惨な状況下に置かれていることがわかりました。

 

まずAは4人兄弟(兄、姉、A、妹)なのですが、両親共に他界したことにより、結婚している兄の家(兄嫁の実家)で家賃を払い生活をしていました。妹も当時はまだ高校を卒業したばかりだったため、兄の家で一緒に生活をしていました。

 

しかも・・・Aが兄の家に入れている家賃がなんと月15万!はぁ!?

 

(俺)「お前それ高すぎるだろ!?」

 

(A)「うん、しかもさ、最初は食事と洗濯も込みで15万だったんだけど、パチンコ屋で夜遅くまで働いてくると帰りが0時くらいになっちゃうんだ・・・だから作ってくれなくなっちゃった。服も臭いから自分で洗えだってさ・・・。」

 

(俺)「お前さぁ・・・それって自分でアパート借りた方がよくね?」

 

(A)「うん、月に15万持ってかれると全然お金貯まらないし、食事作ってくれないんじゃ額を下げてくれって言ったんだけど駄目だった。この家を出たいって言ったんだけど、兄貴に「お前はここに住んで月15万払ってればいいんだよ」って言われた・・・。」

 

(俺)「お前なんだよその現状・・・言い方悪いが奴隷じゃねーか・・・」

 

(A)「家を借りるにも保証人って必要じゃない?身内で誰も書いてくれる人がいないんだよ。姉は連絡取れないしどこに住んでいるのかもわからない。兄貴に話したらスゲー怒鳴られた。何年か経つうちに関係がどんどん悪化してきて兄嫁の両親にも嫌われてるから家の中でなるべく会わないようにしてる・・・。警察にも相談したんだけどナカナカいい答えが見つからなくて・・・とりあえず保証人のいらない物件を今探してるんだ。」

 

 

ひどい・・ひどすぎる・・・これは現実か?実の兄が「お前は月15万払ってここにいればいーんだよ」なんて言うのか!?血が繋がってるんだろ?両親共に他界して助け合うべきじゃねーのか?

しかもその兄嫁の実家は3階建て&車が3台も置けるご立派な家なこと・・・。ふざけんなよ・・・。

 

(俺)まずは保証人のいらないアパート探しからだな。

 

(A)うん、以前住んでた(県営?市営?)団地が保証人いらないみたい。やっぱり前に住んでたところの方が土地勘もあるし、新しい知らないところに住むよりかはいいかな。

 

 

そして数週間後・・・

 

(A)なんとか団地契約できたよ!

 

(俺)そか!よかったな!んじゃ引っ越しの準備して必要なもの買い揃えないとな。

 

(A)引っ越しがバレるとまずいから夜中に少しづつこっそり荷物運んでるんだ。エアコンとか大きいものは家を出る最終日に業者頼むつもり。あとは家電全般が無いんだよね・・・。でもお金もない・・・。

 

(俺)金なら貸してやるよ。買い行くぞ。

 

ということで洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、引っ越し代等々20万くらい貸しました。

 

引っ越しの準備も終わり、あとは業者がエアコン等の大きな荷物を取りに来る最終日、事件は起こりました。

 

 

 

なんと引っ越し業者が来る当日、兄嫁の実家の玄関の鍵が一個増えており、家の中に入れなくなっていました。

 

 

 

夜中にこっそり荷物を運び出し、部屋の荷物が少しづつ減っているので、きっと兄嫁の実家の人達は引っ越すことが薄々分かっており、最後に嫌がらせをされたのでしょうね。

 

 

泣く泣く業者に当日キャンセル料を払い、部屋の大きな荷物は運べず・・・。警察にも相談したらしいですが、「鍵を壊したら器物破損で訴えられる」等々言われ、兄嫁の実家の人達と顔を合わせて話をするくらいなら荷物を捨てた方がマシということで諦めました。

 

それから何度か携帯に兄嫁の実家から電話がかかってきたとは言っていましたが、話したくないので出ない、あまりにもしつこいなら携帯を解約するとも言っていました。

 

 

 

そして数か月後、Aの携帯電話は解約され、連絡できなくなりました。その後も自分に連絡は一切ありません。

 

 

 

恐らくですが、Aは引っ越しもでき、以前よりはマシな生活を送っているとは思います。そう願いたいです。自分にとってはそれで充分です。Aの置かれている状況がひど過ぎましたから。

 

別に20万円を返して欲しいと思っているわけでもないんです。住んでる場所も知っているので取り返しに行こうと思えばすぐにでも行けます。

 

ただ、20万円を返したくないから俺との連絡を絶ったのだとすれば、それが一番悲しいです。

 

恐らくそうなんでしょうけどね。

 

少なからず自分にはお金以上の心の傷が残りました。

あの時は自分なりにベストな事をしたつもりでしたが・・・。本当にベストな選択って何だったんでしょうね・・・